<< 「雲は龍に舞い、風は鳳に歌う」 | main | 「無風忍法帖」 >>
「八百比丘尼」
 

人魚の肉を食べてしまったことで不死となった少女が比丘尼になり八百年生き続けるほうの八百比丘尼ではなく、マンガの神様、手塚治虫(おっと、やはり神はいますね)の不朽の名作『火の鳥』の中でも異彩を放つ中編『異形編』をテーマにした楽曲です。是が非でも『火の鳥 異形編』をお手元にご用意ください。それを読み、これを聴くことで楽しさは800%に跳ね上がります。読まなくても100%の楽しさはもちろん保証しますのでご安心を。

ちなみにこの『火の鳥 異形編』は八百比丘尼とまったく無関係のお話というわけではなく、不死が人間にもたらすものと示すものという共通したテーマを持つ2つの物語を巧みに絡み合わせ、SF的な味付で昇華させた、死生の深淵に臨む神の大傑作です。

漫画の解説しかしていないと怒られそうですが、まさにこの「八百比丘尼」という楽曲はその『火の鳥 異形編』そのものを音楽化し(ようとし)たものですので、漫画の解説そのものが楽曲の説明になってしまうのです。神の大傑作をそのまま音楽へと昇華できたのかという客観的な評価についてはさて置き、主観としては『火の鳥 異形編』の物語とテーマをそのまま音にするという試みは成功したと自負していますし、その物語を音として具現化するのに不可欠な黒猫の歌も、登場人物の心情を見事に表現していると思います。少なくとも僕の頭の中では、黒猫の歌と共に出現する火の鳥の姿が確認できました。

蛇足ですが、この曲の演奏時間を確認できる機会があったらよく見てみてください。八百比丘尼だからこの演奏時間……やっぱりこいつは変態だな、と思っていただけると思います(CDプレイヤーなどの表示は機種依存の部分ですので、もしもブックレットの表記とズレがあった場合は「仕様です」ということになりますが、大抵の機種では大丈夫だと思います)。



| 楽曲解説 | 16:59