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「夜歩き骨牡丹」
 

有名な鳥山石燕画の骨女は『牡丹灯籠』の弥子を描いたものだそうですが、この曲の題材はそれとは別の骨女です。生前醜いと蔑まれた女性が、死んでから骸骨の容姿がいいことに気づき、人に見せるため町をそぞろ歩いたというものだそうです。この妖怪に言いしれぬ女性の性(さが)と良い意味での滑稽味、そして凄絶な色気を感じ、この楽曲が生まれました。

恐ろしさすら感じさせる女性の美への執着をヘヴィメタルなリフで、客観的にそれを見たときに禁じ得ない滑稽さを軽快なリズムとメロディで、そして匂い立つような凄みのある艶っぽさを歌声で、それぞれ狙い通り形にすることができました。

随所で聴ける黒猫独自のコブシを活かした歌唱と和音階を敢えて多用したフレーズが非常に効果的なフックになっており、和音階さえ使えば日本的になる、という考えを持たない陰陽座の楽曲の中では異彩すら放つ楽曲になっていますが、それでいてむせかえるほど陰陽座らしいという絶妙な仕上りであると確信しています。

実は変拍子が繰り返される楽曲構成でありながら、難解さや複雑さは微塵も感じず、ただただ楽曲や歌が表情豊かに展開する、という気持ちで聴けるように仕上がったことにも手応えを感じています。



| 楽曲解説 | 16:44