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「神鳴忍法帖」
 

陰陽座の「卍」という楽曲(シングル『甲賀忍法帖』のカップリング曲)は、戦闘マシーンとして作り上げられた無敵の女忍者の苦悩を歌ったものですが、その女忍者が「卍」の中で「名乗る必要はない、二秒で終わりだ」と雑魚敵に言われるまでの、少し遡ったあたりの心情を描いたのがこの楽曲です。「卍」では苦悩しながらも闘いに身を投じることで吹っ切ろうとする雰囲気も垣間見えますが、この「神鳴忍法帖」ではその境地に至る前の、遣り切れなさを抱えた状態の心情が切々と語られています。

キャッチーなリフがフックになっていながらも、とにかくこの楽曲は黒猫の歌の表情の変化による展開が楽曲を支配しています。闘いたくなどないのに闘うしかない宿命を嘆き、呪う彼女(女忍者)の悲痛な心の叫びが聞こえてくるようです。その話に神鳴(かんなり=かみなり)がどう関わるのか、歌詞の中で解明されますよ。

ヘヴィメタル然としたリフが歌謡的なロックと何ら違和感なく融合するこのような雰囲気の楽曲は、陰陽座が結成時からヘヴィメタルを囲い込むのではなく押し広げていくことを信条として活動してきたことの賜物だと思っています。



| 楽曲解説 | 16:44